−魂の記録を紡ぐ画家−

中野愛菜(なかのえな)

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私の絵は、魂の記憶を紡ぐ、光の記録。

ひとつひとつの作品は、私が生きた証であり、ありのままの心を映すわたしの世界です。

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はじまり

私が初めて、自分の中に渦巻く感情を絵にしたのは『堕ちる』という作品だった。添えた詩の一節は「生まれ変わったら、もっと明るい世界へ」。

その頃の私は、世の中に希望を見出せず、「どうして地球に来たのだろう」と心の奥で嘆いていた。日々の暗いニュースや家庭の事情に胸を痛めながらも、平気なふりをして過ごしていた幼い心は、思いのほか深く傷ついていたのだと思う。

あの一枚をきっかけに、私は自分の中にある世界や、行き場のない感情を絵という形で外へと映し出すようになった。

ちょうど同じ頃、頭の中に見たこともない風景が浮かぶようになった。白く霞んだ光の中に、大きな“ねじねじの木”が立っていて、静寂で、何もないのに、美しい。私は直感的に、そこが「心の果て」なのだと感じた。子どものころからお寺に通っていた私は、死後の世界に自然と関心を持ち、「死後のために、今を誠実に生きよう」と誓ったほどであるが、そのときに見た白い世界は、仏教で説かれるお浄土の景色にもどこか似ていた。

やがて、頭の中に浮かぶその風景を描き続けていくうちに、自分が感じているものや見ている世界と同じ次元が、実際に高次に存在するという知識や概念にあとから出会うようになった。そして、人間の根底に流れる感性は、時代や文化を超えて共通しているのだと確信した。

私の心が映し出す風景は、魂の故郷であり、私が還る場所。もっと言えば、人はみな、その場所でつながっているのだと思う。

心が映し出す風景を辿りながら、その奥にある光の根源を思い出していく。それが、私の創作の土台である。

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描くという祈り

絵を描いている時間は、私が“魂だけの感覚”に戻れる、なにものにも代えがたい瞬間だ。悲しみや言葉にならない感覚──その奥に、いつも光を感じる。どうしようもない自分にも、子どもの頃から守りたいと思い続けてきた“純粋な光”が今もあるんだ。そのことが、私が私として生きる希望だった。

駆け出しの頃、いつものように描いた絵をSNSに投稿したある日、初めて見た方からコメントが届いた。「あなたの絵を見て、心が励まされました。元気をもらいました。ありがとう。」その言葉を読んだ瞬間、衝撃を受けた。

自分を癒すために描いていた絵が、誰かの心にも届いていた。絵には、人を癒す力があるのだと気づいた。何の取り柄もないと思っていた私にも、人のためにできることがある。このたった一言で、初めて「描く意味」が自分の中に宿ったのだ。

それからの私は、長い時間をかけて自分の内側と向き合い続けてきた。自分と向き合うことは、葛藤やショックな出来事、心が落ちていくような瞬間もたくさんあった。考えすぎるこの性格が嫌になって、なにもかも手放してしまいたいと思うことも度々あった。それでも私は、自分の内を表現するのを辞められない。魂の叫び、喜び、愛、そのすべてを描き留めたい。それが、自分自身と誰かを癒すことになると思うから。

もっと自分を幸せにしたい。愛と調和の中で生きていきたい。きっと多くの人が、同じように願っているはず。そんな繊細な感性で本気で生きる人たちの心にも寄り添えるような作品を、生み出していきたいのだ。

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わたしの世界

心が映し出す風景、色、形。それは限りのない自分という光と闇。偏ってもだめで、欠けてもだめで、常に自分の中でそれらが一致する心のあり方を探している。

人生は、自分を知るための旅。

私は、誰よりも深く自分を知りたいと思っている。内観し、感じたものを絵に描き留めると、ふいに答え合わせのような瞬間が訪れる。そのたびに感覚が変わり、見える世界が広がっていく。

私の絵は、魂の記憶であり、そして記録でもある。

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わたしについて

芸術大学在学中から独学で絵の活動をはじめ、卒業後はデザイン会社でデザイナーをしながら続けていました。2019年、活動の場を広げるための上京をきっかけに、フリーランスとして歩みはじめました。

最初の数年間は、デザインやイラストの仕事をしながら、アートワークショップの企画、展示活動など、さまざまな形で「表現」と「人」とのつながり、そして何より「自分」について深く探ってきました。

一人で夢を叶えていくその不安やプレッシャーは大きかったですが、私の作品がニューヨーク・タイムズスクエアの電子掲示板に投影するという夢を叶えたり、ドラマの撮影に絵を貸し出すなど、思いがけない経験がたくさんできました。

様々な経験を経て、表現のテーマや画風は少しずつ変化してきました。

しかし根底は変わらず、自分の心に宿る愛や悲しみ、静寂、祈り。そうした感覚を、そのまま描き留めること。

わたしの絵が心に寄り添う存在となり、絵を通して心に浮かんだ感覚や声を信じてほしいと思っています。それが、あなたの心の奥にある“魂の光”を思い出すきっかけになれば嬉しいです。

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◎個展、NYや上海、トルコ、オーストラリアなど海外展示

◎NYタイムズスクエア電子掲示板に作品掲示

◎ドラマ『ギフテッド seson2』作品提供

◎オリジナル 愛と光のアートカード発売<完売>

▼個展

2023.10 個展「光ノ透」[東京:Gallery&Shop nijiris]

2023.3 個展「光澄むところ」[東京:ギャラリーハウスMAYA]

2022.6 個展「こころままに光」[東京:カプチェットロッソ]

2021.9 個展「はじまりを巡る」[東京:ギャラリーハウスMAYA]

2021.2 個展「アイノヒカリ」[横浜:CANTIK-MANIS]


2020.8 個展「星影の祈り」[東京:デザフェスギャラリー]

2019.9 トヨダイズミ×愛菜 二人展「世界樹のともしび」[大阪:イロリムラ]

2019.5 個展「ここから」[滋賀:ギャラリー喫茶おとくら]

2019.1 個展「夜と夢」[大阪:ギャラリー風雅]

2018.5 個展「思い出の庭」[東京:gallery re:tail]

(その他 公募展、デザフェスなど多数出展してきました。)

▼海外展

2025.9 Original Art From Japan @上海

2025.5 Original Art From Japan @オーストラリア

2025.1 Original Art From Japan @フロリダ

2024.11 Original Art From Japan @トルコ

2024.1  Original Art From Japan @タスマニア

2023.10 国際現代美術展「MESSAGE FROM (H)EART」@タイムズスクエア

2023.7 Japanese Selected Artist in Istanbul TR @トルコ

2023.3 3rd Japanese Selected Artist in Auckland @ニュージーランド

2022.12 The17th Japanese Selection Artists展@ニューヨーク

2020.1 台湾アートフェア「ONE ART TAIPEI」出展 @台湾

2019.7 ミニ個展「心象」[上海:風月舎画廊]


▼経歴

2016.3 京都造形芸術大学イラストレーションコース卒業

2015.6 鈴木成一 装丁イラストレーション塾 受講

2015.7 東京装画賞 協賛企業賞より特種東海製紙賞

2015.7 日本ブックデザイン賞 入賞 



2015.8 ポストカードコンテスト第10回 / FINE ART賞 & 一般投票数3位

2017.2 寺田順三 テテイラストレーション 受講

2018.2 鈴木成一 装丁イラストレーション塾 受講

2018.9 メゾンダールギンザアワード 入賞